第8回国際集団精神療法学会(1983年、メキシコシティ)において、サイコドラマ部門を創設しようという動きがあり、学会に参加していた松村康平、増野肇、土屋明美等のうち増野、土屋が会合に参加し、増野が日本の連絡窓口の労を担うことになった。それまで日本各地で独自に展開していた心理劇関係者の横のつながりを作る必要も生じ1984年に「日本心理劇連合会」が発会した。

第1回連合会の開催準備委員は、松村康平(当番幹事)、台利夫、増野肇、迎孝久、深山冨男、事務局、土屋である。発会式は10月21日に東京の国立教育会館において、オブザーバー:時田光人、スペシャルゲスト:田中熊次郎を迎え、発会を記念して来日されたアルゼンチンのロハス・ベルムデス夫妻によるシコドラマ研修も並行して催された。続いて京都(京都女子大学)、沖縄(琉球大学)においても開催された。

連合会の趣旨は次の通りである

  • 心理劇(サイコドラマ)への関心が高まり、諸グループによる会合がもたれている。それらグループ相互の情報交換の機会が持てるようにする。
  • 既存のまた新たに生れるサイコドラマ関係活動、グループとしてのまた個人としての活動の、それぞれの主体性を尊重することにおいて、本会の発展がもたらされるようにする。
  • 日本および諸外国でのサイコドラマ、関連ある諸活動の動向を知ることができ、グループ・エンカウンター、学術交流などの機会が本会を通じて持て、日本での心理劇(サイコドラマ)が世界の動向にかかわりをもって発展するのに役立つものとする。
  • 心理劇の研究実践者(サイコドラマティストたち)の資格認定活動が可能となるようにする。
  • 情報交換、研究実践が促進されるように、パンフレットの配布、ジャーナルの発行などを企画、実践する。
  • 年1回の連合総会を開催する。そのために、開催準備委員会を次期連合総会に向けて新たに構成して、開催準備委員および当番幹事は原則として交代し、本会が心理劇(サイコドラマ)の会としてふさわしく運営されていくようにする。
  • その他。

心理劇連合会は、日本各地で1年に1回総会・研修会を開催し、1994年(沖縄)の総会をもって発展的に解消され、日本心理劇学会が翌年新たに誕生した。(土屋明美)